2013年2月3日日曜日

H23年 企業経営理論 第7問


H23年 企業経営理論 第7問

■問題

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

単一の事業を営む企業が多角化によって事業構造を変革し、持続的な成長を実現する行動は、「範囲の経済」の視点から説明できる。「範囲の経済」が存在すれば、企業が複数の事業を展開することによって。それぞれの事業を独立に営むときよりも、より経済的な事業運営が可能になる。

(設問1)
文中の下線部に関する以下の文章の空欄A~Cにあてはまるものの最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

2つの製品の生産量をそれぞれ x1、x2で表し、その費用関数をC(x1, x2)で表したとき、「範囲の経済」の関係は以下のように示すことができる。

C(x1, x2)   A   C(x1, 0)   B   C(0, x2)

この関係が成立すれば「範囲の経済」が存在する。この式のC(x1, x2)がx1、x2を同時に生産、販売するときの  C  )であり、C(x1, 0)が第1製品だけを生産、販売するときの  C  、C(0, x2)が第2製品だけを生産、販売するときの  C  である。

[解答群]
(ア) A:>   B:+   C:総費用
(イ) A:>   B:-   C:平均費用
(ウ) A:<   B:-   C:総費用
(エ) A:>   B:+   C:平均費用
(オ) A:<   B:+   C:総費用

(設問2)
文中の下線部に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


[解答群]
(ア) 2つの事業がお互いに補い合って1つの物的資源をより完全に利用して生まれる効果は、範囲の経済の効果である。

(イ) 2つの事業がお互いに情報的資源を使い合うと、資源の特質から使用量の限界がなく他の分野で同時多量利用できるため、物的資源を使い合うよりも効率性の高い範囲の経済を生み出せる。

(ウ) 合成繊維企業が蓄積した自らの化学技術を使用し、本業の補完・関連分野の事業に進出するのは範囲の経済の例である。

(エ) 範囲の経済が生まれるのは、基本的には未利用資源の活用が原因であり、企業規模が大きいほど経済効果が良くなることを意味する。

(オ) 範囲の経済は、多角化が進みすぎると新たに進出した事業と企業の保持しているコア・コンピタンスとの関連性が希薄になって生じなくなる。

■解答

(設問1)
 ○  (オ) A:<   B:+   C:総費用

(設問2)
 ×  (エ) 範囲の経済が生まれるのは、基本的には未利用資源の活用が原因であり、企業規模が大きいほど経済効果が良くなることを意味する。

■考察

(設問1)について。

下線まで引いているくらいですので、「範囲の経済」が分からなければ(ピンと来なければ)解答できない問題かな、と思われます。早速「範囲の経済」をGoogleで検索してみました。

企業が製品数を増やしたり、事業を多角化するほど、1製品あたり、1事業あたりのコストが低下するという経営学上の定理。具体的には、1つの企業で複数の製品を生産したり、複数の事業に取り組むときに、そのコストの合計が、同じ複数の製品を別々の企業で生産したり、別々の企業で事業を行っている場合の合計と比べて相対的に低くなる現象を指している。これは同じ設備を利用できたり、管理費などの複数の製品や事業で重複する部分が削減できるためである。この範囲の経済性を追求することが、製品のラインナップを広げたり多角化を志向させる根拠と言われている。しかし、どのような場合も範囲の経済性が大きく働くわけではない。できるだけ重複して利用できる部分を多くし、範囲の経済性が大きくなる製品や事業の組合せが、シナジー効果(相乗効果)が高いと見なすことができる。 
(出典)KOTOBANK

"具体的には、1つの企業で複数の製品を生産したり、複数の事業に取り組むときに、そのコストの合計が、同じ複数の製品を別々の企業で生産したり、別々の企業で事業を行っている場合の合計と比べて相対的に低くなる現象を指している。"

と書かれているので、(設問1)は用語解説がそのまま答えになっています。

用語解説に、本文で使っている生産数量の変数x1とx2、および、同時生産を表す費用関数のC(x1, X2)、個別生産を表す費用関数C(x1, 0)及びC(0, x2)を入れてみたいと思います。

"具体的には、1つの企業で複数の製品を生産したり、複数の事業に取り組むときに、そのコストの合計[C(x1, x2)]が、同じ複数の製品を別々の企業で生産したり、別々の企業で事業を行っている場合の合計[C(x1, 0)+C(0, x2)]と比べて相対的に低くなる[C(x1, x2)]<[C(x1, 0)+C(0, x2)]現象を指している。"

という事のようです。

(設問2)について

相変わらず日本語が難しいです。

(ア)の「物的資源をより完全に利用して生まれる効果」というのは製造装置などでいう「稼働率を上げる」という意味だと思われます。Aの製品だけでは80%しか稼働できないが、Bの製品も受注して生産することで100%稼働にできる=物的資源のより完全な利用と理解しました。

ですから表現は正しいです。

(イ)の情報的資源は何を意味するのでしょうか?例えば顧客情報などでしょうか??情報資源を共有するという意味では、最近ではクラウドサービスのビジネスユースが注目されており、グローバル拠点の生産情報や営業情報などをクラウド上で管理する、といった流れも見受けられます。

クラウドで情報共有するという行為も、グローバルに展開された企業にとって、「範囲の経済」を生かすための手段の一つなのかもしれません。「範囲の経済」以外に、ほかの狙いもあるとは思いますが。

(ウ)くらい日本語が分かりやすいと助かりますね。

(オ)については、コングロマリットという企業体などで発生しているのではないか、と思われます。

コングロマリット (英: conglomerate) は直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体のこと。複合企業とも。主に異業種企業が相乗効果を期待して合併を繰り返して成立する。
 wikipediaより引用

日本で言うと、京セラ株式会社が株式会社ディーディーアイ(現在はKDDI。KDDI株式会社の合併当初の旧商号。)を設立したのもコングロマリットの例の一つかと思います。

こういった場合は、コア・コンピタンスの関係が希薄であったりするので、範囲の経済は有効にはたらかなかったのではないかと推測しています。

という事は、消去法からも(エ)が最も不適切なのだと思います。

(エ) 範囲の経済が生まれるのは、基本的には未利用資源の活用が原因であり、企業規模が大きいほど経済効果が良くなることを意味する
未利用資源の活用が原因。という点も引っかかりますが、企業規模が大きいほど経済効果が良くなるというのは別問題な気がします。企業規模が大きいと「規模の経済」は働くかもしれませんが、範囲の経済は。。。んーという感じです。企業規模が大きいといろいろな製品ラインなどを持っているでしょうから必然的に範囲の経済が働きやすい環境になるとは思いますが、これとそれとは別問題、な、気がします。

未利用資源の活用という点も、別に、未利用資源だけを原因と特定する必要はない気がします。先ほどの稼働率の話で80%の内20%は未利用といえば未利用ですが、利用している資源だと思われますので。。。

この問題は私の中で、消化不良です。。。未利用資源ってどういったものを指すんでしょうか。

ところで、ここから先は問題の考察とはかけ離れるのですが、第6問で集中戦略の問題を解きました。ポーターによると集中戦略でコスト集中という考えがあり、こちらは逆に多角化による範囲の経済を謳っています。 多角化戦略はアンゾフですかね?

コストについて考えるとき、特定事業に対して、または、市場に対して、「どういった戦略が有効か」、という事を考えなければならないときの難しさを痛感する問題でした。

H23年 企業経営理論 第6問


H23年 企業経営理論 第6問

■問題


中小企業ではニッチ市場に特化したり、特定の市場セグメントに自社の事業領域を絞り込んだりする集中戦略がとられることが多い。そのような集中戦略をとる企業の戦略対応として、最も不適切なものはどれか。

(ア) 自社が強みを発揮している市場セグメントに他社が参入してきた場合、自社のコンピタンスをより強力に発揮できるようにビジネスの仕組みを見直す。
(イ) 自社製品の特性を高く評価する顧客層に事業領域を絞り込むことによって、これまでの価格政策を見直し、プレミアム価格を設定して差別化戦略に取り組む。
(ウ) 自社の得意とする市場セグメントに事業領域を絞り込むことによって、業界大手の追随を振り切ることができるばかりか、好業績を長期に維持できる。
(エ) 絞り込みをかけた事業領域の顧客ニーズが、時間の経過とともに、業界全体のニーズと似通ったものにならないように監視するとともに、顧客が評価する独自な製品の提供を怠らないようにする。
(オ) 絞り込んだ事業領域で独自な戦略で業績を回復させることができたが、そのことによって自社技術も狭くなる可能性があるので、新製品の開発やそのための技術開発への投資を強めることを検討する。

■解答

× (ウ) 自社の得意とする市場セグメントに事業領域を絞り込むことによって、業界大手の追随を振り切ることができるばかりか、好業績を長期に維持できる。

■考察

集中戦略という用語について確認したいと思います。
ポーターは3つの基本戦略を示しています。
  1. コスト・リーダーシップ戦略
  2. 差別化戦略
  3. 集中戦略

集中戦略はその一つで、集中戦略はさらに『コスト集中』と『差別化集中』に分けることができます。

ここで、
  • 『コスト・リーダーシップ戦略』と『集中戦略のコスト集中』の違いは何か
  • 『差別化戦略』と『集中戦略差別化集中』の違いは何か

について疑問を持ったのでさらに調べてみたところ、対象となる市場の考え方の違いのようです。
コストを低くする、差別化する、という手段は同じなのかもしれませんが、集中戦略の場合は、特定の市場に特化する『集中する』というのが大前提です。

ですから、

『うちの店はパンとうどんとラーメンを販売してるが、パンに絞って経営するぞ!(特定の市場に集中する事で、例えば、不採算事業を切り離すことでコストを下げたり、今までうどんやラーメンに充てていた研究費をすべてパンに充て、新しいパンを開発するなどで差別化したり、もしくは両方を実現したりする)』というのが集中戦略で、『パンもうどんもラーメンも全部小麦粉だ!大量に仕入れて材料費を安くしつつ、生産量を上げて固定費をさげ(規模の経済)、業界最安値を狙うぞ!大量に作るから、職人さんのスキルもおのずと上がって他社より優位になるだろう!(経験曲線)』というのがコスト・リーダーシップ戦略なのだろうと思います。

差別化戦略の場合も同じような考えで、真似しにくい(模倣困難性)商品をつくったり、ブランドイメージを確立する戦略であると理解しました。例えばですが、差別化戦略の場合、3つの事業をうまく融合して、『うどんラーメンパン』を開発したりするって事だと思います。『うどんとラーメンの汁がパンの中からあふれでるのに、パンがふやけない!』なんていう、物理的に解決困難な無理難題を技術的に解決して達成すれば他社がまねできないので差別化できた、という事になるかと思います。大前提として美味しければ(価値があれば)の話ですけど・・・。
集中戦略で「パン」という市場に集中してしまうと、ラーメンやうどんの味を追求できなくなることからも、上記のような差別化戦略と集中戦略の差別化集中は異なるという理解です。

話がどんどんそれている気がしますので本題に戻ります。

では、(ウ)のどこが不適切なのでしょうか?

集中戦略をとる企業の戦略対応

  • 自社の得意とする市場セグメントに事業領域を絞り込むことによって、業界大手の追随を振り切ることができる
  • 好業績を長期に維持できる

おそらく両方間違えているんだと思います。

まず、事業を集中して大手の追随を振り切るというよりは、大手との争いを避けるほうが近いように思えます。大手に対しては、生産量やシェア、ブランドイメージなどで太刀打ちできないので、少量生産しても利益がでるような事業体制にするために集中するのだろうな、という考えだというのが私の結論です。ですから、差別化同様争いに巻き込まれなくなるための戦略、もしくは、巻き込まれている状態でも影響を少なくする戦略が集中戦略かと思いました。

また、好業績を長期に維持できる、とすれば、差別化戦略に成功したパターンかと思います。ただし、『長期』というのをどのように定義するかにもよりますが、最近の産業の流れを見ていると差別化が実現した(何らかの破壊的なイノベーションを起こした)からと言って長期に好業績を維持できるとは限らないようになってきているように思えます。なんだか模倣の多角化、といいましょうか、単純な模倣ではなく、近年、『差別化された製品から類似する別の差別化製品が生まれている』ような気がします。

集中戦略の場合は「好業績を維持」というより、「安定した収益確保」のほうがまだ近い気がします。

という事で、差別化戦略で好業績を長期に維持できるか否かはおいておいて、(ウ)は不適切であるのだと思います。

2013年2月2日土曜日

H23年 企業経営理論 第5問

H23年 企業経営理論 第5問

■問題

企業の競争優位の源泉に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) 企業と顧客の間で情報の非対称性が大きな製品・サービスでは、通常、ブランド・イメージや企業の評判のような客観的にとらえにくい要因に基づく差別化の重要性が大きい。
(イ) 顧客が支払う意思のある価格の上限が顧客の支払い意欲を示すと考えると、通常、差別化による優位は顧客が自社の製品を競合する製品よりも高く評価しているという強みを持つことを意味する。
(ウ) コスト優位は競合他社よりも低コストを実現できるため、通常、競合他社よりも低価格で製品販売しても利益を確保できる強みを意味する。
(エ) コスト優位を確立した企業は、競合他社よりも常に製品1単位当たりのコストとそのコストの総額が低いため、低価格で製品・サービスを販売できる。
(オ) どのような差別化による優位をつくるかを考える際には、通常、環境の変化だけではなく自社の強みと顧客の範囲をどのようにとらえて定義するかが重要である。

■解答

× (エ) コスト優位を確立した企業は、競合他社よりも常に製品1単位当たりのコストとそのコストの総額が低いため、低価格で製品・サービスを販売できる。

■考察

まず、この問題で分からなかった用語として、「情報の非対称性」について調べてみました。

情報の非対称性
取引を行う際、商品等に関して当事者がもっている情報に当事者間で格差があること。 例えば、新品の商品が取引される場合、品質や性能がカタログ等によって示されており、価格を決定する情報は、売り手と買い手との間で「対称」であるといえる。それに対し、中古品の場合は、個体ごとに使用年数、摩耗や損傷の有無・程度などの情報が異なるため、価格を決定する品質情報に関して、売り手と買い手との間に「非対称性」が生じるといえる。 後者の場合、買い手は価値の低い中古品を、そうとは知らずに高い価格で買ってしまうおそれがある。しかし、後になって自分が損な取引をしたことに買い手が気づき、他の買い手も購入に対して慎重になると、中古品が売れなくなる可能性が出てくる。そこで売り手は、情報公開や何らかの品質保証を求められることになる。 このように、市場に情報の非対称性が存在する場合、その市場ではさまざまな問題が生ずる。逆選択やモラル・ハザードなどはその代表例とされている。
kotobankより引用

上記の解説には「中古車市場」が例に上がっています。他にもないか、いろいろ考えを巡らせてみましたが、飲食産業もそうかもしれないです。"食材のスペック値"がメニューに書かれていて、「今日は料理人のスペック5の食材スペック5の料理を食べよう!」と、いうような食事選びの経験は、少なくとも私はないです。

モラル・ハザードや情報の非対称性というキーワードに対してのコラムも掲載します。

(出典)PRESIDENT


「この店は有名だから美味しいに違いない」、「この店はランキング1位だから美味しいに違いない」などブランドイメージや評判でお店を選んだりしたことが、私個人は度々あるため、

通常、ブランド・イメージや企業の評判のような客観的にとらえにくい要因に基づく差別化の重要性が大きい。

が、まさにその通り、という事だと思います。 ですから(ア)は記述として適切だと思います。



では、(エ)がなぜ不適切なのか、について考えてみたいと思います。



おそらくは「常に」という単語が致命的な間違いなのだと思います。 

とりあえずはシミュレーションでもして理解を深めてみたいと思います。仮想のA社、B社の固定費、変動費を設定して比較してみます。A社は大企業であり、B社はA社ほど大きくなく、唯一のライバル企業だと仮定しています。市場はこの2社によって占有されているとします。



変動費については大量に材料の購入数量が多くなるにつれ、コストが減ると仮定しています。A社は大企業なので材料も安く仕入れることができるし、大きな工場を持っているため50万台を超える大量生産が可能です。大きな工場を持っているので固定費はB社に比べて高いです。

B社はA社に比べ小さな企業で材料を買うのもA社ほど値引きしてもらえません。また、設備台数も少なく最大50万台までしか生産ができません。

市場が100万台需要のある市場だった場合で、A社のシェアが50%以上あればB社に比べてコスト優位性があるといえると思いますが、常に
  • 製品1単位当たりのコスト 
  • そのコストの総額
が優位であるといえるでしょうか。やはり「常に」は言い過ぎなんだと思います。市場が50万台の市場にまで落ちたり、第三者が参入してA社のシェアが減った時にはコスト優位性は損なわれます。

以上から、 (エ)は最も不適切である、と言えると思います。

2013年1月29日火曜日

H23年 企業経営理論 第4問

H23年 企業経営理論 第4問

■問題

企業は環境の競争要因を分析して適切な戦略行動をとろうとする。その際の環境分析について考慮すべき点の記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため、業界は過剰生産に陥りやすいので、できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。

(イ) 自社が必要とする部材の供給企業が減少すると、競合企業との競争のため調達価格がつりあがりやすいので、代替的な部材の調達や自社開発を検討することも視野に入れておくことが重要になる。

(ウ) 自社の製品やサービスと補完性のあるものを販売する企業と強いアライアンスがあると、顧客の望む価値を統合的に提供して競合他社にない競争優位を構築し得るので、このようなアライアンス相手を見出すことは重要になる。

(エ) 新規参入企業がもたらす追加的な生産能力は、消費者の購入コストの上昇を抑え、競合企業には売上の減少や収益性の低下をもたらすので、参入障壁の強固さや参入企業への業界の反撃能力を点検することが重要である。

(オ) 製品がコモディティ化すると、顧客のスイッチングコストが低下して、競合企業との価格競争が激化するので、差別化を目指すには一歩先んじた独自製品の開発とその販売を目指すことが重要である。

■解答

×  (ア) コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため、業界は過剰生産に陥りやすいので、できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。

■考察

コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、
  1. 企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため
  2. 業界は過剰生産に陥りやすい
ここまでは正しいと思います。


例えば製造業における生産工程を例に挙げると、『生産能力を最大限に活用』 = 『生産設備の稼働率を最大限に活用する』ことにあたるため、稼働率あげることに注力しすぎると、受注を超える生産を行ってしまった場合に過剰生産となり、在庫を抱える原因や、飽和による価格下落を招く恐れがあると考えています。

では、なぜ稼働率にこだわる必要があるのかについも調査して考察してみたいと思います。
固定費とは(外部サイト:ハピラボ)
5. 固定費って何?(外部サイト:決算書.com)
固定費を一言でいうと

固定費=売り上げの増減に左右されない人件費+経費のこと
ということであると理解できます。

(出典)日経BP社

には、損益分岐点の概念図が掲載されています。

固定費の比率が高い製品であればあるほど、売り上げが必要であることが分かります。売り上げが必要であるということは、なるべく多くの生産、すなわち、稼働率を上げる必要がある、ということになります。このような背景から固定費が高い製品→稼働率を高くしたい→過剰生産という流れになりがちでるということであると理解しました。

では、このような構図を持つ製品を持っている場合、「できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。」ことが正しいのでしょうか?

極端な話ですが、その製品の固定費が高いとしても、シェアが100%で市場も広く、非常に競争優位性がある製品の場合は上記の限りではないと思います。固定費が高くても利益が出ていれば素早く売り抜けて撤退を図る必要はないと私は考えます。ですから(ア)は適切ではないのだと思います。

2013年1月28日月曜日

初期の点数(全く勉強せずに模擬テストに臨んだ結果)

平成23年度過去問題結果
 
A.経済学・経済政策   ・・・ 20点 E
B.財務会計       ・・・ 16点 E
C.企業経営理論     ・・・ 28点 E
D.運営管理       ・・・ 44点 D
E.経営法務       ・・・ 52点 C
F.経営情報システム   ・・・ 56点 C
G.中小企業経営・政策  ・・・ 31点 D


自分なりにランクをつけてみてます。
0  ~ 30点 Eランク
31 ~ 50点 Dランク
51 ~ 60点 Cランク
61 ~ 80点 Bランク
81 ~     Aランク

とりあえずはH23の問題をすべてブログ上で回答してからH23年を再度テストして間違えたところを再復習して、H22年のテストをして・・・を繰り返そうと思います。

2013年1月27日日曜日

H23年 企業経営理論 第3問

H23年 企業経営理論 第3問

■問題

企業の強みと弱みに関する分析フレームワークについての記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) 経営資源の模倣には直接的な複製だけではなく、競争優位にある企業が保有する経営資源を別の経営資源で代替することによる模倣もある。

(イ) 経営資源やケイパビリティが競争優位を生じさせており、企業の内部者にとって競争優位の源泉との関係が理解できない場合、経路依存性による模倣困難が生じている。

(ウ) 経営資源やケイパビリティに経済価値があり、他の競合企業や潜在的な競合企業が保持していないものである場合、希少性に基づく競争優位の源泉となりうる。

(エ) 経済価値のない経営資源やケイパビリティしか保持していない企業は、経済価値を有するものを新たに獲得するか、これまで有してきた強みをまったく新しい方法で活用し直すかの選択を迫られる。

(オ) 成功している企業の経営資源を競合企業が模倣する場合にコスト上の不利を被るのであれば、少なくともある一定期間の持続的な競争優位が得られる。

■回答

× (イ) 経営資源やケイパビリティが競争優位を生じさせており、企業の内部者にとって競争優位の源泉との関係が理解できない場合、経路依存性による模倣困難が生じている。

■考察

私にとって、まず、日本語としてなにやら異常に難しい書き方がされているように思えるのですが・・・マルかバツかさておき、根本的に何が言いたいのかが分からなかったです・・・。とりあえず、紐解いて解釈していきたいと思います。

まずは、私なりに用語を確認していきたいと思います。

経営資源の一般的な定義としては、ヒト・モノ・カネ・情報の4つを指します。
ヒト・モノ・カネ・情報というのも割とざっくりしているのでもう少し調べてみました。 

経営学者ジェイ・B・バーニー氏によると、経営資源の企業属性は
  ①財務資本:金銭的資源
  ②物的資本:物理的技術,設備,立地,原材料へのアクセス等
  ③人的資本:従業員が保有する経験,判断,知性,洞察力,人間関係
  ④組織資本:組織構造,公式,非公式の計画,管理,調整のシステム,外部の他企業などとの関係等

としているとのことですが、詳しくは『企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続』という本に記載されているようです。私の場合一度こういった文献を読まないとだめなのかもしれません。

ケイパビリティーについても、これも用語は違えど結局のところ経営資源の一つの形だと思います。ここでは組織能力と訳してもいいかと思います。


「ケイパビリティー」(capability)とは、企業が全体としてもつ組織的な能力、あるいはその企業に固有の組織的な強みのことです。経営戦略を構成する重要な概念であり、競争優位の大きな源泉となりえます。戦略そのものによる差別化が困難な状況下においては、オペレーションの主眼となるスピードや効率性、高品質といった企業のケイパビリティーを活かし、戦略の実現性や遂行能力で他社に差をつけることが持続的な優位性の確立につながります。企業に固有のケイパビリティーを最大限活用した競争戦略を「ケイパビリティー・ベースド・ストラテジー」といいます。(2012/6/25掲載)



競争優位の源泉についていろいろ調べてはみているのですが・・・詳細をまとめるのは難しそうですね。中小企業診断士のテキストは購入しましたが、テキストのみでこの分野の理解に至るまでは困難な、というか不可能な気がします。

この第3問でいうところの競争優位の源泉の一つとしては、コア・コンピタンスがあげられると思いますし、理解が進みやすそうなのでひとまずは競争優位の源泉に"例えばコア・コンピタンス"という言葉を代入してみようと思います。

コア・コンピタンス(Core competence)とは、ある企業の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」の事を指す。
wikipediaより引用

経路依存性による模倣困難という用語についてはひとまず、"企業文化や歴史などの弊害に伴ってマネすることが難しい。"と代入してみますと、

経営資源(金銭や物理的技術など)や組織能力、それらリソースが競争優位性を生む。
従業員が競争優位性の源泉(たとえばコア・コンピタンス)とリソースの関係を理解できない場合、企業文化や歴史などの弊害に伴ってマネすることが難しい状況が発生している。

ここまで崩して思ったのが、おそらく、内部者を外部者に変えれば意味が通る気がしてきました。

おそらく、競争優位性の源泉がどのように形成されているか外部者が分析できないとき、その時は、経路依存性が発生している状況になっていると考えられるため、模倣することが不可能です。 それら競争優位性の源泉も含めて経営資源なわけですから、ケイパビリティも含めて経営資源が競争優位性を生んでいるんです。ということが言いたいのだろうと理解することにしました。

上記文面であれば概ねその通りだと思うので、適切ではないなと思われる個所としては「企業の内部者」という記述だと思います。

あと、個人的にわからなかった点として

(ア) 経営資源の模倣には直接的な複製だけではなく、競争優位にある企業が保有する経営資源を別の経営資源で代替することによる模倣もある。

がイマイチどういうケースなのかピンとこなかったのですが、この記事をまとめていて気が付きました。

例えばですが、最近の話では、アメリカのアップル社のiPhoneは経路依存性による模倣困難性があった(競争優位な状態で競争優位の源泉がiOS=コア・コンピタンス)ケースであると思われますが、別の資産の代替での模倣(この場合マネと言ってしまっては両社に対してけんが立ってしまいますので同一の製品ラインを指して言ってます)としてSAMSUNG社はOSをAndroidにしたギャラクシーで攻勢をかけた。というのがいい例だと思いました。

iOSには他社にはまねできない歴史があります。しかしながら機能や動作ではGoogle社のAndroidはスマートフォンという市場に対しての参入を果たすことができました。Androidがでることによって、OSの自社開発にかかるコストを下げることができたため、経営資源の代替でのSAMSUNG社も模倣が可能になったのだと考察します。故に(ア)の表現は適切なんでしょうね。

H23年 企業経営理論 第2問

H23年 企業経営理論 第2問

■問題


 次のM&Aに関する文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 わが国では以前は欧米に比べてM&Aが盛んに取り組まれたとは言い難かった。
むしろわが国企業では、①M&Aよりも内部成長方式による多角化を用いることが多かった。
 しかし、近年わが国の企業のM&Aは国内のみならず海外でも活発化している。
そればかりか、それとは逆に海外企業によるわが国企業のM&Aも多く見られるようになった。
 M&Aの方式は多様であり、どのようなM&Aに取り組むかは、その目的や企業の戦略によって異なってくる。また、企業の業績に貢献するM&Aであるためには、②M&Aに関する経営上の課題に対処することが重要である。

 

(設問1)


 文中の下線部①について、多角化とM&Aに関する特徴や問題点の記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) 開発された技術をてこに新規事業が増えるにつれて、社内でシナジー効果を追究する機会が高まるが、シナジー効果が成長にうまく結び付かない場合、多角化を維持するための費用がかさんだり、多様な事業をマネジメントするコストが大きくなるという問題がある。


(イ) グリーンメーラー的な投機的な投資家や企業価値の実現による配当を迫る投資ファンドの動きが活発になると、企業はそれらに狙われないように企業防衛の姿勢を強めようとするため、M&Aも少なくなりがちである。

(ウ) 成長の牽引力となる技術が枯渇してくると、新規な技術による事業機会も少なくなりがちであり、技術イノベーションによる多角化戦略は困難になる。

(エ) 長期雇用慣行等に支えられて従業員のみならず経営者も会社への一体感が強くなると、このような企業がM&Aの対象になった場合、お家の一大事と受け止められ、会社ぐるみでM&Aに抵抗する動きが生じやすい。

(オ) 貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になると、国内での生産技術開発や新製品開発が回避され、内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる。

(設問2)


 文中の下線部②で指摘されているようなM&Aが成功するために注意すべき経営上の課題についての記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) M&Aで企業規模が大きくなれば、獲得した規模の経済性や市場支配力の便益を上回る管理コストが発生する可能性が高まるので、管理コストの削減を図るとともに、そのことによって経営の柔軟性が失われないように注意する必要がある。

(イ) 企業間のベクトルを合わせて統合するには、それぞれの企業で培われてきた企業文化の衝突を避け、互いを尊重しつつ、1つの企業体に融合することを図ることが重要になる。

(ウ) 買収先の企業の主要なスタッフの離職が多くなると、マネジメント能力や専門的な知識や技能などの人的資源が損なわれて組織能力が弱くなるので、買収先の企業の従業員の賃金や待遇を手厚くすることを怠らないようにすることが必要である。

(エ) 買収戦略にのめりこむと、買収先企業を適切に評価することがおろそかになり、高いプレミアム価格を相手に支払ったり、高いコストの借り入れや格付けの低い社債の過度な発行などが起こりやすく、大きな負債が経営危機を招きやすくなることに注意が必要である。

(オ) 買収によって新規事業分野をすばやく手に入れることは、イノベーションによる内部成長方式の代替であるので、M&Aの成功が積み重なるにつれて、研究開発予算の削減や内部開発努力の軽視の傾向が強まり、イノベーション能力が劣化しやすくなることに注意が必要である。

■回答

 

(設問1) ×オ


貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になると、国内での生産技術開発や新製品開発が回避され、内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる。

 

(設問2) ×ウ


買収先の企業の主要なスタッフの離職が多くなると、マネジメント能力や専門的な知識や技能などの人的資源が損なわれて組織能力が弱くなるので、買収先の企業の従業員の賃金や待遇を手厚くすることを怠らないようにすることが必要である。


■考察


設問1の回答にある「イ」に出てくるグリーンメーラーという言葉を知らなかったので早速Googleで調べてみました。

グリーンメーラー(greenmailer)とは、保有した株式の影響力をもとに、その発行会社や関係者に対して高値での引取りを要求する者をいう。ドル紙幣の色である緑と、脅迫状を意味するブラックメールを合わせた造語である。蔑称として用いられることが多い。当該行為はグリーンメール(greenmail)という。

概説

グリーンメールは、仕手の一種として、狙いを定めた企業の株式を多数保有した後、その株式の議決権行使において、経営者に圧力をかけたり、当該株式を経営陣が好ましいと感じない他者に転売することを選択肢として提示したりすることにより、企業を「脅迫」し、保有株式を高値で買い取らせて大きな利益をあげる方法論である。
なお、いわゆる濫用的買収者は、グリーンメーラーに限られないものとされる。

wikipediaより引用

グリーンメーラーに関するやり取りが記された記事も参考に掲載します。

第11話 敵対的買収を飼い慣らす社会を目指して 2011年4月21日(木)
(出典)日経BP社

上記サイトに記載されている小糸事件を例にみると

  • 小糸製作所は世界最大の自動車照明器メーカーであり、トヨタ自動車をはじめとする大手自動車メーカー各社が用いる自動車照明器を製造している。
  • 1989 年3月末、米国の投資家T. Boone. Pickens氏はこの小糸製作所の株式約20%を取得したことを発表し、同社の経営に参画したい旨を宣言した。
という流れがあったようです。

トヨタ自動車株式会社の株を20%保有(13/01/25時点の時価総額が約15兆円なので、時価総額の20%は3兆円)するとなるとかなり厳しいですが(株)小糸製作所の時価総額は2,200億円。時価総額の20%は440億円になります。

理解が正しいかどうか自信がありませんが、要するに、M&Aを活発に行うことで、時価総額の少ない会社を手に入れると同時に、狙われやすい対象が増える可能性が高くなる「かもしれない」ということで "企業はそれらに狙われないように企業防衛の姿勢を強めようとするため、M&Aも少なくなりがちである。" と表現されているのだと思われます。ですからこれは正しいということになります。("少なくなる"、と断定されるのではなく、(傾向として)"少なくなりがち"になるんでしょうね、おそらく。)



では、設問1のオについて考察していきたいと思います。

貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になると、国内での生産技術開発や新製品開発が回避され、内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる。
 たとえば、日米の貿易摩擦について考えてみたいと思います。「日本の自動車が安すぎて困るよ!(当時は1$240円と円が安かったので日本車が安かったらしいです)」とアメリカから言われ(貿易摩擦の発生)、アメリカでは日本車の不買運動が起こりました。1985年にはプラザ合意で円とドルの為替是正、要するに円高誘導が実施されて日本の輸出が不利になるような環境になりました。

この際、輸出が不利になったため、"貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になり" 93年には現地生産台数が輸出台数を超えたらしいです。

ですから1文目は正しい表現だと思われます。

では、

  • 国内での生産技術開発や新製品開発が回避され
  • 内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる
は、どうでしょうか。

製品-市場マトリックス(アンゾフの成長ベクトル)で見ると、今回は生産拠点が国内から海外に移っているという状況ですから、戦略にもよりますが、国内での生産技術開発や新製品開発は海外にシフト(回避)される可能性はあるかもしれませんが、回避されることにより多角化戦略が機能しなくなるという事態に陥ることは考えづらいと考えています。

私の考えとして、もし誤りを正しくするのであれば
  • 貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になり
  • 国内での生産技術開発や新製品開発が回避される。
  • 内部成長方式による多角化戦略は機能しない
という感じかなぁと思ってますので、「オ」は多角化の特徴としては説明できていないように思えます。


続いて、設問2のウについて考察です。

ウ 買収先の企業の主要なスタッフの離職が多くなると、マネジメント能力や専門的な知識や技能などの人的資源が損なわれて組織能力が弱くなるので、買収先の企業の従業員の賃金や待遇を手厚くすることを怠らないようにすることが必要である。
私の想像の域を超えないので一度調べないといけないのですが、通常企業買収をした場合に、従業員はいったん元の組織から退職し、新たに買収元の企業に再就職するものだと思っています。

となると、おそらくは再度就職面接のようなものがあり、そこで賃金の交渉が行われる(実際には指値だと思うのですが)と思ってますから、いったん買収元の企業に転職してしまったあとは従業員の賃金や待遇は買収元のルールに従って行われるだけで特に優遇はしないはず、ゆえに「ウ」は不適切なのだと思います。