H23年 企業経営理論 第9問
■問題
技術開発に必要な経営資源を「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」とその「補完資産」とに分けて考えた場合、ハイテク・ベンチャー企業に関する記述として、最も不適切なものはどれか。(ア) 多くの顧客に対して販売促進活動を行い、顧客からの注文を受けて製品を届け、対価を受け取っている企業は、補完資産としての販売力を自社で保有している。
(イ) 技術革新を商業化して経営成果として結実させるために必要なマーケティングやアフターサービスの活動に関する能力は補完資産として重要である。
(ウ) 少数の特定の顧客企業が自社の大部分の製品を購入している場合、補完資産としての販売力を自社で保有している。
(エ) ハイテク・ベンチャー企業の「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」は中核能力として位置づけられ、その獲得は技術革新実現の必要条件である。
(オ) ハイテク・ベンチャー企業の「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」を価値連鎖として完結するために、補完資産の外部への依存を考慮することは重要である。
■解答
× (ウ) 少数の特定の顧客企業が自社の大部分の製品を購入している場合、補完資産としての販売力を自社で保有している。
■考察
(ア)の、多くの顧客に対して販売促進活動を行い、顧客からの注文を受けて製品を届け、対価を受け取る、というのまさに販売力なので、補完資産としての販売力を自社で保有しているといえると思います。(ア)に対して(ウ)は、少数の特定の顧客企業が自社の大部分の製品を購入している場合、という記述からして販売力を自社で保有しているとは言い難いと思われます。
販売力という言葉の定義を調べきれていませんが、私なりに販売力という言葉を定義すると、「新しいユーザーに製品の価値を提案し、対価を得る、または、既存ユーザーに新たな価値(使い方など)を提案し、対価を得る」 という感じかと思っています。
少数特定の顧客企業から大部分の製品を購入いただいているとなると、販売力ではなく商品力が高い商品を保有しているのかな?という印象を受けました。
0 件のコメント:
コメントを投稿