2013年1月29日火曜日

H23年 企業経営理論 第4問

H23年 企業経営理論 第4問

■問題

企業は環境の競争要因を分析して適切な戦略行動をとろうとする。その際の環境分析について考慮すべき点の記述として、最も不適切なものはどれか

(ア) コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため、業界は過剰生産に陥りやすいので、できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。

(イ) 自社が必要とする部材の供給企業が減少すると、競合企業との競争のため調達価格がつりあがりやすいので、代替的な部材の調達や自社開発を検討することも視野に入れておくことが重要になる。

(ウ) 自社の製品やサービスと補完性のあるものを販売する企業と強いアライアンスがあると、顧客の望む価値を統合的に提供して競合他社にない競争優位を構築し得るので、このようなアライアンス相手を見出すことは重要になる。

(エ) 新規参入企業がもたらす追加的な生産能力は、消費者の購入コストの上昇を抑え、競合企業には売上の減少や収益性の低下をもたらすので、参入障壁の強固さや参入企業への業界の反撃能力を点検することが重要である。

(オ) 製品がコモディティ化すると、顧客のスイッチングコストが低下して、競合企業との価格競争が激化するので、差別化を目指すには一歩先んじた独自製品の開発とその販売を目指すことが重要である。

■解答

×  (ア) コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため、業界は過剰生産に陥りやすいので、できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。

■考察

コストに占める固定費の比率が高い製品の場合、
  1. 企業は生産能力を最大限に活用しようとしがちであるため
  2. 業界は過剰生産に陥りやすい
ここまでは正しいと思います。


例えば製造業における生産工程を例に挙げると、『生産能力を最大限に活用』 = 『生産設備の稼働率を最大限に活用する』ことにあたるため、稼働率あげることに注力しすぎると、受注を超える生産を行ってしまった場合に過剰生産となり、在庫を抱える原因や、飽和による価格下落を招く恐れがあると考えています。

では、なぜ稼働率にこだわる必要があるのかについも調査して考察してみたいと思います。
固定費とは(外部サイト:ハピラボ)
5. 固定費って何?(外部サイト:決算書.com)
固定費を一言でいうと

固定費=売り上げの増減に左右されない人件費+経費のこと
ということであると理解できます。

(出典)日経BP社

には、損益分岐点の概念図が掲載されています。

固定費の比率が高い製品であればあるほど、売り上げが必要であることが分かります。売り上げが必要であるということは、なるべく多くの生産、すなわち、稼働率を上げる必要がある、ということになります。このような背景から固定費が高い製品→稼働率を高くしたい→過剰生産という流れになりがちでるということであると理解しました。

では、このような構図を持つ製品を持っている場合、「できるだけすばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。」ことが正しいのでしょうか?

極端な話ですが、その製品の固定費が高いとしても、シェアが100%で市場も広く、非常に競争優位性がある製品の場合は上記の限りではないと思います。固定費が高くても利益が出ていれば素早く売り抜けて撤退を図る必要はないと私は考えます。ですから(ア)は適切ではないのだと思います。

2013年1月28日月曜日

初期の点数(全く勉強せずに模擬テストに臨んだ結果)

平成23年度過去問題結果
 
A.経済学・経済政策   ・・・ 20点 E
B.財務会計       ・・・ 16点 E
C.企業経営理論     ・・・ 28点 E
D.運営管理       ・・・ 44点 D
E.経営法務       ・・・ 52点 C
F.経営情報システム   ・・・ 56点 C
G.中小企業経営・政策  ・・・ 31点 D


自分なりにランクをつけてみてます。
0  ~ 30点 Eランク
31 ~ 50点 Dランク
51 ~ 60点 Cランク
61 ~ 80点 Bランク
81 ~     Aランク

とりあえずはH23の問題をすべてブログ上で回答してからH23年を再度テストして間違えたところを再復習して、H22年のテストをして・・・を繰り返そうと思います。

2013年1月27日日曜日

H23年 企業経営理論 第3問

H23年 企業経営理論 第3問

■問題

企業の強みと弱みに関する分析フレームワークについての記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) 経営資源の模倣には直接的な複製だけではなく、競争優位にある企業が保有する経営資源を別の経営資源で代替することによる模倣もある。

(イ) 経営資源やケイパビリティが競争優位を生じさせており、企業の内部者にとって競争優位の源泉との関係が理解できない場合、経路依存性による模倣困難が生じている。

(ウ) 経営資源やケイパビリティに経済価値があり、他の競合企業や潜在的な競合企業が保持していないものである場合、希少性に基づく競争優位の源泉となりうる。

(エ) 経済価値のない経営資源やケイパビリティしか保持していない企業は、経済価値を有するものを新たに獲得するか、これまで有してきた強みをまったく新しい方法で活用し直すかの選択を迫られる。

(オ) 成功している企業の経営資源を競合企業が模倣する場合にコスト上の不利を被るのであれば、少なくともある一定期間の持続的な競争優位が得られる。

■回答

× (イ) 経営資源やケイパビリティが競争優位を生じさせており、企業の内部者にとって競争優位の源泉との関係が理解できない場合、経路依存性による模倣困難が生じている。

■考察

私にとって、まず、日本語としてなにやら異常に難しい書き方がされているように思えるのですが・・・マルかバツかさておき、根本的に何が言いたいのかが分からなかったです・・・。とりあえず、紐解いて解釈していきたいと思います。

まずは、私なりに用語を確認していきたいと思います。

経営資源の一般的な定義としては、ヒト・モノ・カネ・情報の4つを指します。
ヒト・モノ・カネ・情報というのも割とざっくりしているのでもう少し調べてみました。 

経営学者ジェイ・B・バーニー氏によると、経営資源の企業属性は
  ①財務資本:金銭的資源
  ②物的資本:物理的技術,設備,立地,原材料へのアクセス等
  ③人的資本:従業員が保有する経験,判断,知性,洞察力,人間関係
  ④組織資本:組織構造,公式,非公式の計画,管理,調整のシステム,外部の他企業などとの関係等

としているとのことですが、詳しくは『企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続』という本に記載されているようです。私の場合一度こういった文献を読まないとだめなのかもしれません。

ケイパビリティーについても、これも用語は違えど結局のところ経営資源の一つの形だと思います。ここでは組織能力と訳してもいいかと思います。


「ケイパビリティー」(capability)とは、企業が全体としてもつ組織的な能力、あるいはその企業に固有の組織的な強みのことです。経営戦略を構成する重要な概念であり、競争優位の大きな源泉となりえます。戦略そのものによる差別化が困難な状況下においては、オペレーションの主眼となるスピードや効率性、高品質といった企業のケイパビリティーを活かし、戦略の実現性や遂行能力で他社に差をつけることが持続的な優位性の確立につながります。企業に固有のケイパビリティーを最大限活用した競争戦略を「ケイパビリティー・ベースド・ストラテジー」といいます。(2012/6/25掲載)



競争優位の源泉についていろいろ調べてはみているのですが・・・詳細をまとめるのは難しそうですね。中小企業診断士のテキストは購入しましたが、テキストのみでこの分野の理解に至るまでは困難な、というか不可能な気がします。

この第3問でいうところの競争優位の源泉の一つとしては、コア・コンピタンスがあげられると思いますし、理解が進みやすそうなのでひとまずは競争優位の源泉に"例えばコア・コンピタンス"という言葉を代入してみようと思います。

コア・コンピタンス(Core competence)とは、ある企業の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」の事を指す。
wikipediaより引用

経路依存性による模倣困難という用語についてはひとまず、"企業文化や歴史などの弊害に伴ってマネすることが難しい。"と代入してみますと、

経営資源(金銭や物理的技術など)や組織能力、それらリソースが競争優位性を生む。
従業員が競争優位性の源泉(たとえばコア・コンピタンス)とリソースの関係を理解できない場合、企業文化や歴史などの弊害に伴ってマネすることが難しい状況が発生している。

ここまで崩して思ったのが、おそらく、内部者を外部者に変えれば意味が通る気がしてきました。

おそらく、競争優位性の源泉がどのように形成されているか外部者が分析できないとき、その時は、経路依存性が発生している状況になっていると考えられるため、模倣することが不可能です。 それら競争優位性の源泉も含めて経営資源なわけですから、ケイパビリティも含めて経営資源が競争優位性を生んでいるんです。ということが言いたいのだろうと理解することにしました。

上記文面であれば概ねその通りだと思うので、適切ではないなと思われる個所としては「企業の内部者」という記述だと思います。

あと、個人的にわからなかった点として

(ア) 経営資源の模倣には直接的な複製だけではなく、競争優位にある企業が保有する経営資源を別の経営資源で代替することによる模倣もある。

がイマイチどういうケースなのかピンとこなかったのですが、この記事をまとめていて気が付きました。

例えばですが、最近の話では、アメリカのアップル社のiPhoneは経路依存性による模倣困難性があった(競争優位な状態で競争優位の源泉がiOS=コア・コンピタンス)ケースであると思われますが、別の資産の代替での模倣(この場合マネと言ってしまっては両社に対してけんが立ってしまいますので同一の製品ラインを指して言ってます)としてSAMSUNG社はOSをAndroidにしたギャラクシーで攻勢をかけた。というのがいい例だと思いました。

iOSには他社にはまねできない歴史があります。しかしながら機能や動作ではGoogle社のAndroidはスマートフォンという市場に対しての参入を果たすことができました。Androidがでることによって、OSの自社開発にかかるコストを下げることができたため、経営資源の代替でのSAMSUNG社も模倣が可能になったのだと考察します。故に(ア)の表現は適切なんでしょうね。

H23年 企業経営理論 第2問

H23年 企業経営理論 第2問

■問題


 次のM&Aに関する文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 わが国では以前は欧米に比べてM&Aが盛んに取り組まれたとは言い難かった。
むしろわが国企業では、①M&Aよりも内部成長方式による多角化を用いることが多かった。
 しかし、近年わが国の企業のM&Aは国内のみならず海外でも活発化している。
そればかりか、それとは逆に海外企業によるわが国企業のM&Aも多く見られるようになった。
 M&Aの方式は多様であり、どのようなM&Aに取り組むかは、その目的や企業の戦略によって異なってくる。また、企業の業績に貢献するM&Aであるためには、②M&Aに関する経営上の課題に対処することが重要である。

 

(設問1)


 文中の下線部①について、多角化とM&Aに関する特徴や問題点の記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) 開発された技術をてこに新規事業が増えるにつれて、社内でシナジー効果を追究する機会が高まるが、シナジー効果が成長にうまく結び付かない場合、多角化を維持するための費用がかさんだり、多様な事業をマネジメントするコストが大きくなるという問題がある。


(イ) グリーンメーラー的な投機的な投資家や企業価値の実現による配当を迫る投資ファンドの動きが活発になると、企業はそれらに狙われないように企業防衛の姿勢を強めようとするため、M&Aも少なくなりがちである。

(ウ) 成長の牽引力となる技術が枯渇してくると、新規な技術による事業機会も少なくなりがちであり、技術イノベーションによる多角化戦略は困難になる。

(エ) 長期雇用慣行等に支えられて従業員のみならず経営者も会社への一体感が強くなると、このような企業がM&Aの対象になった場合、お家の一大事と受け止められ、会社ぐるみでM&Aに抵抗する動きが生じやすい。

(オ) 貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になると、国内での生産技術開発や新製品開発が回避され、内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる。

(設問2)


 文中の下線部②で指摘されているようなM&Aが成功するために注意すべき経営上の課題についての記述として、最も不適切なものはどれか。

(ア) M&Aで企業規模が大きくなれば、獲得した規模の経済性や市場支配力の便益を上回る管理コストが発生する可能性が高まるので、管理コストの削減を図るとともに、そのことによって経営の柔軟性が失われないように注意する必要がある。

(イ) 企業間のベクトルを合わせて統合するには、それぞれの企業で培われてきた企業文化の衝突を避け、互いを尊重しつつ、1つの企業体に融合することを図ることが重要になる。

(ウ) 買収先の企業の主要なスタッフの離職が多くなると、マネジメント能力や専門的な知識や技能などの人的資源が損なわれて組織能力が弱くなるので、買収先の企業の従業員の賃金や待遇を手厚くすることを怠らないようにすることが必要である。

(エ) 買収戦略にのめりこむと、買収先企業を適切に評価することがおろそかになり、高いプレミアム価格を相手に支払ったり、高いコストの借り入れや格付けの低い社債の過度な発行などが起こりやすく、大きな負債が経営危機を招きやすくなることに注意が必要である。

(オ) 買収によって新規事業分野をすばやく手に入れることは、イノベーションによる内部成長方式の代替であるので、M&Aの成功が積み重なるにつれて、研究開発予算の削減や内部開発努力の軽視の傾向が強まり、イノベーション能力が劣化しやすくなることに注意が必要である。

■回答

 

(設問1) ×オ


貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になると、国内での生産技術開発や新製品開発が回避され、内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる。

 

(設問2) ×ウ


買収先の企業の主要なスタッフの離職が多くなると、マネジメント能力や専門的な知識や技能などの人的資源が損なわれて組織能力が弱くなるので、買収先の企業の従業員の賃金や待遇を手厚くすることを怠らないようにすることが必要である。


■考察


設問1の回答にある「イ」に出てくるグリーンメーラーという言葉を知らなかったので早速Googleで調べてみました。

グリーンメーラー(greenmailer)とは、保有した株式の影響力をもとに、その発行会社や関係者に対して高値での引取りを要求する者をいう。ドル紙幣の色であると、脅迫状を意味するブラックメールを合わせた造語である。蔑称として用いられることが多い。当該行為はグリーンメール(greenmail)という。

概説

グリーンメールは、仕手の一種として、狙いを定めた企業株式を多数保有した後、その株式の議決権行使において、経営者に圧力をかけたり、当該株式を経営陣が好ましいと感じない他者に転売することを選択肢として提示したりすることにより、企業を「脅迫」し、保有株式を高値で買い取らせて大きな利益をあげる方法論である。
なお、いわゆる濫用的買収者は、グリーンメーラーに限られないものとされる。

wikipediaより引用

グリーンメーラーに関するやり取りが記された記事も参考に掲載します。

第11話 敵対的買収を飼い慣らす社会を目指して 2011年4月21日(木)
(出典)日経BP社

上記サイトに記載されている小糸事件を例にみると

  • 小糸製作所は世界最大の自動車照明器メーカーであり、トヨタ自動車をはじめとする大手自動車メーカー各社が用いる自動車照明器を製造している。
  • 1989 年3月末、米国の投資家T. Boone. Pickens氏はこの小糸製作所の株式約20%を取得したことを発表し、同社の経営に参画したい旨を宣言した。
という流れがあったようです。

トヨタ自動車株式会社の株を20%保有(13/01/25時点の時価総額が約15兆円なので、時価総額の20%は3兆円)するとなるとかなり厳しいですが(株)小糸製作所の時価総額は2,200億円。時価総額の20%は440億円になります。

理解が正しいかどうか自信がありませんが、要するに、M&Aを活発に行うことで、時価総額の少ない会社を手に入れると同時に、狙われやすい対象が増える可能性が高くなる「かもしれない」ということで "企業はそれらに狙われないように企業防衛の姿勢を強めようとするため、M&Aも少なくなりがちである。" と表現されているのだと思われます。ですからこれは正しいということになります。("少なくなる"、と断定されるのではなく、(傾向として)"少なくなりがち"になるんでしょうね、おそらく。)



では、設問1のオについて考察していきたいと思います。

貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になると、国内での生産技術開発や新製品開発が回避され、内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる。
 たとえば、日米の貿易摩擦について考えてみたいと思います。「日本の自動車が安すぎて困るよ!(当時は1$240円と円が安かったので日本車が安かったらしいです)」とアメリカから言われ(貿易摩擦の発生)、アメリカでは日本車の不買運動が起こりました。1985年にはプラザ合意で円とドルの為替是正、要するに円高誘導が実施されて日本の輸出が不利になるような環境になりました。

この際、輸出が不利になったため、"貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になり" 93年には現地生産台数が輸出台数を超えたらしいです。

ですから1文目は正しい表現だと思われます。

では、

  • 国内での生産技術開発や新製品開発が回避され
  • 内部成長方式による多角化戦略は機能しなくなる
は、どうでしょうか。

製品-市場マトリックス(アンゾフの成長ベクトル)で見ると、今回は生産拠点が国内から海外に移っているという状況ですから、戦略にもよりますが、国内での生産技術開発や新製品開発は海外にシフト(回避)される可能性はあるかもしれませんが、回避されることにより多角化戦略が機能しなくなるという事態に陥ることは考えづらいと考えています。

私の考えとして、もし誤りを正しくするのであれば
  • 貿易摩擦等の外圧に押されて企業の海外進出が活発になり
  • 国内での生産技術開発や新製品開発が回避される。
  • 内部成長方式による多角化戦略は機能しない
という感じかなぁと思ってますので、「オ」は多角化の特徴としては説明できていないように思えます。


続いて、設問2のウについて考察です。

ウ 買収先の企業の主要なスタッフの離職が多くなると、マネジメント能力や専門的な知識や技能などの人的資源が損なわれて組織能力が弱くなるので、買収先の企業の従業員の賃金や待遇を手厚くすることを怠らないようにすることが必要である。
私の想像の域を超えないので一度調べないといけないのですが、通常企業買収をした場合に、従業員はいったん元の組織から退職し、新たに買収元の企業に再就職するものだと思っています。

となると、おそらくは再度就職面接のようなものがあり、そこで賃金の交渉が行われる(実際には指値だと思うのですが)と思ってますから、いったん買収元の企業に転職してしまったあとは従業員の賃金や待遇は買収元のルールに従って行われるだけで特に優遇はしないはず、ゆえに「ウ」は不適切なのだと思います。
 

H23年 企業経営理論 第1問

H23年 企業経営理論 第1問

■問題


ドメインは全社レベルと事業レベルに分けて考えられるが、ドメインの定義ならびに再定義に関する記述として、最も不適切なものはどれか

(ア) D.エーベル(Abell)の「顧客層」「顧客機能」「技術」という3次元による事業ドメインの定義では、各次元の「広がり」と「差別化」によってドメインの再定義の選択ができる。

(イ) 事業ドメインは将来の事業展開をにらんだ研究開発分野のように、企業の活動の成果が外部からは見えず、潜在的な状態にとどまっている範囲も指す。

(ウ) 自社の製品ラインの範囲で示すような事業ドメインの物理的定義では、事業領域や範囲が狭くなってT.レビット(Levitt)のいう「近視眼的」な定義に陥ってしまうことがしばしば起こる。

(エ) 全社ドメインの定義によって企業の基本的な性格を確立できるが、製品やサービスで競争者と競う範囲は特定できない。

(オ) 単一事業を営む場合には製品ラインの広狭にかかわらず事業レベルの定義がそのまま全社レベルの定義となるが、企業環境が変化するためにドメインも一定不変ではない。

■回答

 ×  エ 全社ドメインの定義によって企業の基本的な性格を確立できるが、製品やサー
      ビスで競争者と競う範囲は特定できない。
 

■考察



ここでいうドメインは事業領域の事で、Googleでドメインと検索するとドメイン名の説明ばかり出てきます。なので、続いてGoogleで事業領域で検索してみると、2013/01/27現在パナソニック株式会社の事業領域が一番最初に出てきました。


ここで参考にパナソニック株式会社の事業領域を見てみると

パナソニックグループは、パナソニック株式会社及び連結子会社633社(2011年3月31日)を中心に構成され、総合エレクトロニクスメーカーとして関連する事業分野について国内外のグループ各社との緊密な連携のもとに、生産・販売・サービス活動を展開しています。
パナソニック株式会社のホームページより引用

となっています。

goo辞書によると
domain
企業が定めた自社の競争する領域・フィールドのこと。事業ドメインともいう。
企業はドメイン(事業ドメイン)の設定により、戦う領域を設定し、組織活動の指針とする。ドメインは、企業の方向性を示す上で、非常に重要な 意味を持つ。 例えば、ある鉄道会社がドメインを「鉄道事業」と定義した場合と「総合輸送事業」と定義した場合とでは、おのずと環境変化に対応する発想が変わってくる。 「鉄道事業」と定義した場合は、輸送手段の進歩あるいは他の輸送手段との競合に対し、鉄道という枠の中でのみ差別化して優位に立つことを模索する。 一方、「総合輸送事業」と定義した場合は、経営環境の変化に対し、鉄道以外の輸送手段にも参入することにより競争優位を確立することを考える。つまり、他 の輸送手段との競合を常に視野に入れた戦略を立てることになる。 ドメインを掲げることによって経営資源をフォーカスさせ、継続的に見ても経営資源を一貫して蓄積でき、組織全体として戦う方向性を定めることができる。 一方、ドメインを予め限定しないまま、多角化や買収を行って多様な事業分野に進出する企業もある。そういう状況においては、事業機会の拡大とともにドメイ ンは次第に拡大する傾向にある。
「またドメインは、事業ドメイン,事業領域とも言う」
 goo辞書 「ドメイン」の意味より引用

この問題で「エ」が「最も不適切なもの」とされる理由は

『製品やサービスで競争者と競う範囲は特定できない』 と書かれているからだと思います。

パナソニック株式会社の事業領域を見ても

総合エレクトロニクスメーカーとして関連する事業分野について国内外のグループ各社との緊密な連携のもとに、生産・販売・サービス活動を展開しています。

と書かれていますし、goo辞書に至っては

戦う領域を設定し、組織活動の指針とする。

と記述、されていることからも『競う範囲は特定できない』のは記述として誤っていると思います。

ただ、『全社ドメインの定義によって企業の基本的な性格を確立できる』と書いていますが、ここでいう性格というのはどう定義されているのでしょうか。。。私個人としてはこの文面もちょっとグレーな文章だなと思いました。

ちなみに性格の意味もgoo辞書で調べてみました。

行動のしかたに現れる、その人に固有の感情・意志の傾向。「ほがらかな―」「夫婦  の―が合わない」
特定の事物にきわだってみられる傾向。「二つの問題は―が異なる」「趣味的―の   濃い団体」
goo辞書より引用

仮にこの問題が、『全社ドメインの定義によって企業の基本的な性格を確立できる』で終わっていた場合は正解は「マル」なんですかねぇ。。。たぶん「マル」でいいんだろうけど微妙にしっくりこないです。

はじめまして

自己紹介とブログの趣旨


みなさん初めまして。岩川光善(いわかわみつよし)と申します。

このブログ趣旨としては

 (1)中小企業診断士の資格取得に向けての個人的な備忘録

 (2)中小企業診断士の資格取得に向けての情報交換

を目的に更新していこうと思います。学習は土日祝がメインなので更新は週1回程度になる見込みです。

足元では平成25年度の試験合格を目標にしており、現在は国内電機の製造メーカーに勤めているのですが、国内製造における問題課題などをロジカルに分析し、今後の戦略を提案できる・もしくは推進できる人材になることをゴールにしようと思っています。

学習の進め方としては、当面、インターネットから過去問題集をダウンロードして過去問題を解いていこうと思います。基本的に私は資格試験を行う際には過去問題集ばかり解くことにしています。同じものを何回も解いてなるべく理解を深めるようにするのが私なりの進め方です。

実は昨年一度無勉強で過去問を一通り解いています。また、初回テスト結果も公開させてもらいたいと思います。確か平均25点~30点くらいだったはずです(ノ´∀`*)

点数が低いということはそれだけ伸びしろがあるということ、伸びしろがあるということはそれだけ成長できるといこと!と割り切って頑張ります(笑)


実名記事について



これまでインターネットにおけるコミュニケーションは匿名が当たり前でしたが、Facebookの爆発的なサービス拡大をきっかけとして実名での利用が着々と広がってきています。

私の場合、芸能人や政治家など、特に自分をアピールしなければならない職業についているわけでもなく、また、今後著名人になることを目標としているわけでもないため、「個人が実名を明かしてブログを更新していく」ことに対して特に大きなメリットを見つけられてはいないのですが(というよりも2013年1月現在はリスクの方が大きい気がするので、デメリットの方が多いかもしれませんね)、なんとなくプロフィールをGoogle+のプロフィール(要するに実名)そのままに投稿していきたいと思いこのブログを更新していきます。

では、なぜ実名でブログを更新するのか、について記述しておこうと思います。

  1. まず、私という実態が少しでもリアリティあるものに見えれば良いなと考えています。

    学習を始めたばかりなのでそもそもH.25の試験に合格できるか否か、定かではありませんが、私と同様に中小企業診断士の資格取得を目標とされている(そこがゴールではないにしても)方に対して、もしくは自身に対して、何らかの一助になればと考えています。

    インターネットの情報には、商業と申しますか、アフィリエイトなどの金銭的な目的で記事を書いている方もいらっしゃるのではないかと推測しています。使える情報、使えない情報がうまく選別できればいいのですが、なかなか難しいものですので、インターネット上では焼け石に水な気もしますが、実名で書いてみようと思いました。

     
  2. 記事にある種の責任を持てたらと考えています。

    匿名でも責任ある記事を書けばいいだけの話なのですが・・・。会社に行く際にスーツを着るように、身なりをただせばおのずと記事の質もあがるかなぁと、感覚的に思っています。

    あまり根気がよい方ではないので正直資格取得の学習も途中で投げ出しかねません。

    ブログを通じて情報発信することで自身の「戒め」になることを期待しています。


おわりに


中小企業診断士の資格は最短で今年中にけりがつくかもしれないのにブログを立ち上げておりますが、トントン拍子に事がうまく運んだ際には、その時に先のことを考えようと思います。
要するに、今年受かるとは思っていません(笑)

すでに合格されている方、今同じように試験勉強に励んでいる方、勉強法のご教授やアドバイス、答えられないものがほとんどだと思いますが質問などコメント頂けると幸いです。

また、反対意見なども歓迎します。(ただ、シネ、とか、バカとかただの誹謗中傷はやめてくださいね。 あくまでも意見でお願いします。)